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大連青联培訓学校校長 大連中日文化交流協会副会長 王 永利さん

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日本の各種雑誌やアニメなど最新の情報を伝える中日交流の窓口「大連ふれあいの場」が、大連市内の中心部にある語学学校「大連青联培訓学校」に開設された。日中の友好交流団体が共同運営する施設で、日本文化のメッセージを発信する場でもある。同校校長で中国側友好団体の副会長を務める王永利さんに「大連ふれあいの場」などについて聞いた。

日本文化の紹介で交流窓口に

王 永利さん

王 永利さん

 日本の各種雑誌やアニメなど最新の情報を伝える中日交流の窓口「大連ふれあいの場」が、大連市内の中心部にある語学学校「大連青联培訓学校」に開設された。日中の友好交流団体が共同運営する施設で、日本文化のメッセージを発信する場でもある。同校校長で中国側友好団体の副会長を務める王永利さんに「大連ふれあいの場」などについて聞いた。

――語学学校「青联培訓」に7月末、日本の雑誌や図書、DVD、CDなど最新の情報を備えた「大連ふれあいの場」が開設されました。まずはこの施設についてお聞かせください。

 「この施設は日本国際交流基金日中交流センターと大連中日文化交流協会が共同運営するもので、日本側から提供される各種雑誌や漫画、ファッション誌、観光資料などの最新出版物や音楽、アニメなどの幅広い日本情報を広く一般公開するものです。これは大連市民に日本社会の状況や風土、民族性を理解してもらい、市民レベルの中日友好を促進するのが狙いです。中国国内では10か所目の施設です」

――なぜ「青联培訓」に開設されたのでしょうか。

 「私どもの学校は大連の中心部に位置して、だれでもが利用しやすい環境にあります。この大連には日本語を勉強する人たちが多く、気軽に立ち寄っていただくことができます。また、私が中日文化交流協会の副会長ということもあって、会場を提供するのは当然のことだと思っています。もちろんすべて無償であり、民間の力で中日友好にお役に立つことが大切だと考えています」

――「大連ふれあいの場」はどのように利用されるのでしょうか。

 「まだオープンしたばかりなので、施設そのものは広く知られていません。しかし、日本側から定期的に新しい出版物などが送られてきますので、日本のいまの姿を知ることができます。このため、日本語学習者だけでなく、多くの大連市民に利用していただきたいと思っています。さらにここでは中日交流を目的としたイベントも開催できます。例えば日本語コーナーや交流パーティーなどです。こうした活動も無料開放し、中日友好の拠点としても活用していただきたいのです」

――ところで「青联培訓」では外国語を学ぶ人たちがたくさん通っていますが、その中でも日本語の学習熱はいかがでしょうか。

 「私どもの学校でみますと、日本語学習者が最も多くて60パーセントを占めています。その次が英語の30パーセント。残りが韓国語、ドイツ語、フランス語、ロシア語となっています。日本語学習者の人数は金融危機前の2008年当時がピークでした。その後の不景気と3月11日の東日本大震災で学習者数は減少しています。しかし、それでも日本語学習者が圧倒的に多いことに変わりはありません」

――どうして日本語を勉強する人が多いのでしょうか。

 「大連独特の事情もあるかと思います。大連市民は中国の他都市と比べて日本に対して好意的な感情を持っています。多くの日系企業がこの大連に投資していますので、日本語を話せれば就職できることもあるでしょうし、日本の文化が大好きな人もたくさんいます。やはり言葉は相互理解を促進させる交流の第一歩であり、架け橋だと思います」

――王校長も日本へ行かれたことがあると思いますが、日本についてどのような印象を持たれているのでしょうか。

「これまで3回訪日しました。いずれも交流訪問で、山梨や東京、名古屋、大阪などを訪れましたが、どの街もきれいで感動しました。また、日本の方は礼儀正しく、仕事にも真面目に取り組んでいます。全体的な国民の資質の高さに感心しています」

――最後に今後の中日友好についてのお考えをお聞かせください。

 「まずは東日本大震災で大きな被害を受けた被災地が早く復興されることを願っています。以前のように観光や経済面で活発な交流が戻ってもらいたいものです。私も語学教育や中日文化交流協会などの活動を通じて、民間人のひとりとして両国の友好にお役に立ちたいと思っています」

「大連ふれあいの場」
住所 中山区中山路124号 渤海飯店5階(大連青联培訓学校内)
電話 8370−7536 8211−6351
開館 毎週火、木、土、日曜日の午前9時半から午後4時半

【経歴】
王 永利さん

 大連市沙河口区生まれ。文革時代に学生期を送り、化学工業関係の国営企業に入社、一貫して人事などの管理部門を歩んで来た 。18年間の管理能力が評価され、1994年に大連青联培訓学校校長に抜擢された。当時は日本語、英語の科目だけだったが、現在では幅広い語学を教育する総合語学学校に育て上げた。
【インタビューを終えて】
痩身に秘められたパワー
 大連でも語学学校の最大手に挙げられる「大連青联培訓学校」。年間数千人の大連人が日本語や英語などを学んでいるが、王校長の就任時は学生数が少なく、王校長自身が校長兼清掃員として働くなど困難な時代を乗り切って来た。
 そこには国営企業時代に培った管理能力とともに、物事に正面からぶつかるパワーが秘められていた。「とにかくスポーツ好き。若い時から走ることではだれにも負けなかった」。痩身ながらもスポーツで鍛えた体力、精神力が学校経営面でも大きな武器となったのは確かだ。
 いまでも卓球、水泳、自転車、スキーなどスポーツ万能。定年退職したご主人も大のスポーツ好きで、「いつも一緒に運動を楽しんでいます」。こう語る笑顔は、仕事と家庭を両立して来た充実感にあふれていた。

この投稿は 2011年9月5日 月曜日 12:29 AM に Whenever誌面コンテンツ, 巻頭インタビュー カテゴリーに公開されました。

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掲載日: 2011-09-05
更新日: 2011-10-10
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