Whenever誌面コンテンツ

黒米は効用も逸話も盛りだくさん

20110506-黒糯米餅#1.JPG

最近、日本では古代米が見直され、赤米や黒米が売られている。中国では黒米を古代米とは言わない。黒香米と呼ばれる。黒米の食感は糯米と変わらないので、黒糯米とも言われるのである。


null

 最近、日本では古代米が見直され、赤米や黒米が売られている。中国では黒米を古代米とは言わない。黒香米と呼ばれる。黒米の食感は糯米と変わらないので、黒糯米とも言われるのである。ご飯を炊くとき少量を混ぜると、お赤飯のようになるので良く玉芸舎のお客様に食べてもらっている。黒米の色素は表面だけであり、内部は普通の糯米と変わらない。表面色素は水溶性であるので洗うときに水が黒くなる。温水などで洗うと何時までも色素が溶けて出るのである。従って、白米と一緒に煮ると白米も黒米の色に染まってしまう。
 今は余り聞かないが、かつて黒色に染色した偽物が売られていたが、買うときそれを見分けるのがはなはだ難しいのである。黒米の品質の良し悪しを判断するにはその光沢、一様な粒の大きさ、砕米がないこと、清い匂いがすることなどが判定の基準になる。悪い品質のものは鳥の匂いがしたり、口の中で噛むと異常な味がしたりするのである。また、染色した偽物などは粒の内部まで染料がしみ透っているものもある。スーパーなどで真空パックしたものを買えば問題ないであろう。
 黒米の原産地は中国狭西省と言われている。シルクロードの開拓者である張騫(zhang xian)が、これを発見して神米として漢の武帝に献じたという故事が「百度」(Baidu)に載っている。例の如く信憑性の低い話ではあるけれど……。黒米は「葯米」とも言われ、滋養強壮に効果がある。その効用は余りにも多くて列記するのを躊躇せざるを得ない。
 黒五類と言う言葉がある。黒米、黒豆、黒胡麻はよいが、其処に黒松子、黒かりんなどが入るのは不可解である。黒五類と言う言葉は最初、文化大革命の時に悪者分子(地主、富農、反革命分子、坏分子、右派分子)を意味したのであるが、その後にこんなところで復活しているのであった。悪物どころか人民のために良いものに成ったのである。
 余談ではあるが、紅五類(工人、貧農、下中農、革命軍人、革命幹部)と言う言葉はまだ復活していない。
【料理】
 黒米の食べ方は、一般的に白米に一握りの黒米を加えて煮るのである。それでは芸がないので今回はタイ国風味の黒糯米餅を作ってみよう。黒米を一晩水に漬けてから炊飯器で煮る。圧力釜なら20分ほど加圧後、余熱で30分蒸らす。黒米の表皮は玄米と同じでかなり硬いのである。出来上がったら適量の砂糖を入れ甘くする。黒米は元来が糯米であるのでモチモチした食感が出る。それを好みの型に詰め成型して饗する=写真=。甘いオモチを食べているようである。

この投稿は 2011年5月6日 金曜日 12:45 AM に Whenever誌面コンテンツ, okaさんの食楽人生 カテゴリーに公開されました。

コメントをどうぞ

掲載日: 2011-05-06
更新日: 2011-10-10
クチコミ数: 0
カテゴリ
エリア