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浅田次郎さんが近代の中国を語る 商工会主催、JALなど協力の講演会
日本ペンクラブ会長の作家、浅田次郎さんの講演会「近代の中国と日本」が10月27日夜、中山区長江路のホテル・ニッコー大連で開かれ、約320人が会場に詰めかけた。
講演会は、毎年恒例となっている大連日本商工会主催の文化事業イベントで、今年は日中国交正常化40周年を記念して在瀋陽日本総領事館大連事務所が後援。さらに日本航空大連支店や同ホテル、講談社などが協力して、記念事業にふさわしいイベントとなった。
浅田さんは中国の近代を舞台にした小説「蒼穹の昴(そうきゅうのすばる)」をはじめ、「地下鉄(メトロ)に乗って」「鉄道員」「中原の虹」などのベストセラーを生み出している超売れっ子作家。それだけに受講希望者が相次ぎ、募集定員250人を大幅に超えて入場できなかった人も多かった。
講演会は同商工会の和田圭司交流委員長のあいさつと浅田さんの経歴紹介で開幕。浅田さんは「若いときから中国オタクで、いつかは中国を舞台にした小説を書きたいと思っていた」と切り出し、「蒼穹の昴」や「中原の虹」などで描いた登場人物を通した近代中国について語った。
また、浅田さん独特の秦王朝と徳川幕府の比較歴史論も披露し、「秦王朝の大臣は満族と漢族のダブルキャストであり、日本占領時代もこれを参考にして満族と日本人のダブルキャスト。徳川幕府は将軍と老中、若年寄の三角支配システムだった」「徳川幕府の将軍は長男相続だったので官僚が強くなり、秦王朝は父が子の中から優秀な人物を指名することによって長い支配体制を築いてきた」などと語った。
最後に浅田さんは「中国人は寛容な人たちで、日本と中国は互いにわかり合える民族。みなさんには日中の架け橋となっていただき、日本人としての誇りを持って、強い日本を作りましょう」と締めくくった。
この後は入場者との交流タイムに入り、「浅田さんが好きな小説のキャラクターは」「中国との縁の始まりは」との質問に、浅田さんは「男の中の男が好き。中でも張作霖は男らしい男」「学生時代にふれた漢文の美しさに感動し、中国の文学にはまり込んで行った」などと、時折、冗談を交えながら答えた。
続いてサイン本や手書き原稿のレプリカが当たる抽選会が行われ、当選者が発表されるたびに会場は歓声に包まれた。
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更新日: 2012-12-21
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