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キヤノン大連事務機有限公司 董事長、総経理 キヤノン杯日本語弁論大会 審査委員長 金子 恵一さん kaneko keiichi
「キヤノン杯などの活動には、文化や習慣、言語、民族などの違いを超える『共生』の精神が流れています」
6月16日、キヤノン大連事務機有限公司や大連市人民対外友好協会などの主催で「大連市第26回『キヤノン杯』日本語弁論大会」が開かれた。今年も小学生から大学生まで、約1万人の応募があり、大連を象徴する友好イベントとなっている同大会。大会審査委員長で、同社の董事長兼総経理でもある金子恵一さんに、キヤノン杯や大連での会社経営について聞いた。
今年のキヤノン杯も大成功だったと思います。大会を終えての感想は、いかがですか。
キヤノン杯には、大連に着任した2005年から参加しておりますが、董事長として関わるのは2回目です。今は、26回目の大会を無事に開催でき、ほっとしています。ただ、まだ改善点もあると思っています。
改善点とは、具体的にどの様な点でしょうか。
例えば、審査方法です。採点基準を、もっと明確にした方が良いと思っています。また、会場の運営に関しても、より良い運営を目指したいと思います。
キヤノン杯は、日本語力を競うだけではなく、大連を象徴する友好イベントとなっています。弁論大会の枠を超え、大会がここまで成長した理由は、どこにあるでしょうか。
まず、キヤノン杯が始まるまでの経緯をお話しましょう。キヤノン大連は1989年に設立されましたが、当時のキヤノン株式会社の賀来龍三郎社長から「日中友好に貢献できる活動を企画するように」と、指示がありました。これを受け、当時の大連市長、魏富海さんとも相談した結果、日本語の弁論大会を開こうとなり、翌1990年からキヤノン杯が始まりました。
そもそもキヤノン杯は、日中友好への貢献を目指して企画されたわけですね。
はい。賀来社長は、中国東北部との縁も深く、大連にも強い愛着を持っている方でした。そして、大連市政府や大連の各大学と協同できた点も、長く続いている理由だと思います。市政府や大学とは、キヤノン杯の時だけではなく、折を見て面会して意見交換し、コミュニケーションを大切にしています。大連の親日的な雰囲気も、成功には欠かせなかったと思います。
キヤノン大連の代表的な社会貢献活動はキヤノン杯だと思いますが、他にはどのような取り組みがありますか。
まず、1994年から経済的な理由で就学困難な子どもたちへ手を差し伸べたいと、「希望小学校」への支援を始めました。現在までに、大連の郊外地域に4校を建設しました。また、2007年から大連理工大学への奨学金も開始し、5000元を10人の学生に渡しています。ゴミ拾いや植樹など、地域に根差した活動も行っています。また、身障者の採用にも積極的に取り組んでいます。弊社では、全社員の2パーセント強が身障者ですが、入社後のフォロー体制も万全で、働きやすい環境を整えています。
このような社会貢献活動に通底する精神は、どの様なものでしょうか。
「共生」の企業理念が、キヤノンの社会貢献活動には流れています。文化や習慣、言語、民族などの違いを問わず、全ての人類が末永く共に生き、共に働き、幸せに暮らしていける社会を目指しています。「共生」の理念の下、企業活動以外でも社会に貢献したいと、常に考えております。
大連での経営で、心がけていることはありますか。
進出先への貢献を常に心がけています。キヤノン大連であれば、大連への貢献です。貢献には、先ほど述べた社会貢献活動だけではなく、納税や雇用の創出、社員の生活の保障などがあります。
大連での経営を振り返り、日本との違いや壁を感じたことはありますか。
違いはほとんど感じません。当社は、既に設立から四半世紀が経っています。ですので、日本式の経営が社内に定着し、違いは感じません。目標を目指す姿勢は、大連も日本も変わりませんね。
最後に、日ごろから社員へ伝えていることがあれば、お聞かせください。
私の目標は、10年後もキヤノン大連が継続していることです。そのために、技術力など大連の強みを伸ばし、他の拠点に負けないようにしようと伝えています。
6月19日,由佳能大连办公设备有限公司和大连市人民对外友好协会等主办的第26届“佳能杯”日语演讲比赛举行。今年大会有小学生到大学生约有1万人参加,也成了象征大连的友好活动。这次我们向大会的审查委员长,也是佳能公司的董事长兼总经理的金子惠一先生,采访了佳能杯和公司经营的情况。
“佳能杯,以能够为日中友好做贡献的活动为目标而策划,在与当时的大连市长魏富海先生商量后,于1990年开始举办。我认为,大连市政府和各大学教师的支持也是这个比赛可以长期持续下来的理由吧。佳能杯或佳能公司的社会贡献活动,超越了文化习惯、语言、民族等区别,流传着‘共生’的精神。在‘共生’的理念下,企业活动以外我也想为社会做更多的贡献。”
【経歴】
1957年、東京都生まれ。1980年に早稲田大学理工学部を卒業し、キヤノン株式会社へ入社。入社後は、主に生産管理部門を担当し、2005年、6月キヤノン大連事務機有限公司へ赴任、CRG工場長や副総経理を経て、2012年7月に帰任。2014年1月、大連へ再赴任となり、現職へ着任。
インタビューを終えて
大連に根を下ろした日系企業
いろいろな違いや壁を克服し、大連での経営に携わってきたのかと思っていたが、「違いはほとんど感じません」との答え。社員の定着率も高く、たくさんの中国人管理職も育ち、大連市民に受け入れられ、しっかりと大連に根を下ろしているキヤノン大連だからこそ、この回答なのだと思った。
「大連工場の製品品質は、日本と変わりません」「大連工場は5Sが行き届き、『日本の工場よりもきれい』と評価をいただいたこともあります」と語る金子さん。大連で働く社員たちへの暖かなまなざしと、確かな信頼を感じた。
武井 克真
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更新日: 2015-12-18
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