Whenever誌面コンテンツ

茶道裏千家淡交会大連同好会 幹事 許 萍さん xu ping

茶道裏千家淡交会大連同好会 幹事 許 萍さん xu ping
 「茶道は、掛け軸や茶道具、茶室など、全てを含んだ総合的な芸術。そして、日本文化の精髄」

「茶道は、掛け軸や茶道具、茶室など、全てを含んだ総合的な芸術。そして、日本文化の精髄」

 1997年5月に成立し、20周年も間近な「茶道裏千家淡交会大連同好会」。同会は、大連での茶道紹介はもちろん、青島やハルピンなど、他都市でも活発に活動を続けている。同会で幹事を務める許萍さんは、10年以上の茶道歴を持つ中心的な存在。そんな許萍さんへ、茶道との出会いや茶道の魅力、今後の目標などを聞いた。(関連記事は8ページ)

 茶道を始めたのは、いつでしょうか。また、きっかけは何だったのでしょうか。

 茶道を始めたのは、2002年1月です。友人が働いていたフラマホテルの日本料理店へ遊びに行った際、たまたま茶道裏千家淡交会大連同好会の稽古を目にしました。偶然でしたが、「いいな」と思い、入会させていただきました。また、日本料理を仕事としておりますので、日本文化を理解しなければいけないという思いもありました。日本文化が分からなければ、良いサービスもお客様へ提供できないと思います。

 茶道の第一印象は、どの様なものでしたでしょうか。

 礼儀正しく、そして親切で、上品な女性の趣味という印象でした。今は、釜から立ち上る湯気を眺めながら、美味しい和菓子を食べ、心安らげるひとときを過ごすのが好きです。茶道は、日常の忙しさや不愉快のない別世界です。静かに、心を落ち着かせることができます。

 茶道の稽古には、どんな大変さがありましたか。

 点前(てまえ、茶道の所作や作法)は体で覚えなければいけませんので、慣れるまでが大変でした。また、茶室では亭主と客の会話もありますが、日本語の文学的な表現が上手くできず、受け答えに苦労しました。

 茶道の魅力は、どの様なところにあるでしょうか。

 茶道は、掛け軸や茶道具、茶室など、全てを含んだ総合的な芸術です。奥深く、幅広く、人生を豊かにしてくれる点が、茶道の魅力だと思います。そして、茶道で最も大切なことは、素直な心、感謝の気持ちです。私は、茶道は日本文化の精髄だと思っております。

 茶道から得たことは、毎日の生活や、日本料理店「大連大名」の経営にも活かされていますか。

 もちろん、活かされています。「和敬静寂」の茶道精神をいつも頭に入れ、物を考えたり、行動したりするようにしています。「和敬静寂」の「和」は和睦の「和」、「敬」は尊敬の「敬」、清は「物と心の清らかさ」、「寂」は「何があっても動じない心」です。頭で分かっていても、実践するのは難しいですが、だんだんと自分の体に「和敬静寂」が染み入ってきたと感じています。

 「大連大名」の社員にも、「和敬静寂」の精神を教えていますか。

 「和敬静寂」という言葉は使いませんが、似た意味のことは伝えています。例えば、お店が忙しくて混乱したとしても、「動じない心で、落ち着きを保つように」と言っています。これは「寂」ですね。

 ところで、茶道を習う人は増えていると思いますが、この傾向をどの様に見ていらっしゃいますか。

 確かに増えていますね。これは、人々の生活水準が上がり、美意識や礼儀作法などに関心を持つ人が、増えてきたからだと思います。私が入会したころ、同好会の中国人会員はわずかでしたが、今では半分以上が中国人です。日本語ができない人も、入会しています。

 では、文化交流や異文化理解には、どの様な意義があるでしょうか。

 異文化を知ると、自分の世界が広がると思います。外の世界を知ると、自分の間違いに気付くこともあり、比べられるようになります。外を知り、自分と比べ、「なぜ違うのか」「どちらが良いのか」などと考えることは、素晴らしい気付きにつながると思います。

 最後に、今後の目標や夢を、お聞かせください。

 もっともっと、お茶のことを知りたいと思っております。講師である山﨑宗愛先生の指導の下、同好会の仲間と一緒に、様々な活動に参加し、お茶を楽しみ、自己研鑽に励みたいですね。

  1997年5月成立的「茶道里千家淡交会大连同好会」,除大连外还在青岛,哈尔滨等其他城市积极开展茶道介绍等活动。这次,我们向拥有10多年茶道经验的同好会组织者许萍女士,询问了茶道的魅力。
  “茶道是一种包括挂轴,茶具,茶室等物品的综合性艺术。了解其深奥之处,让人生更加丰富。在茶道中,怀着一颗纯朴的心和感恩的心是非常重要的。我认为茶道是日本文化的精髓。日常生活中也重视『和敬清寂』这种茶道精神。『和』代表和睦,『敬』代表尊敬,『清』代表物品和心境的清澈,『寂』代表『不论发生什么都有一颗不动摇的心』。此后我还想要了解更多关于茶的学问”

経歴
 1969年、大連市に生まれる。1987年に大連看護士学校を卒業後、大連歯科病院で勤務。勤務のかたわら、夜間大学で日本語を修める。1992年、株式会社岡山水産へ入社。1996年に同社が大連で展開する日本料理店「大連大名」へ移り、副総経理として、大連の全店舗を統括する。茶道裏千家淡交会大連同好会でも、幹事として中心的な役割を果たしている。

インタビューを終えて
「道」の真価を教えられた
 「茶道だけではなく、名前に『道』とつくものを学ぶのは、良いことだと思いますよ。『道』には長い歴史があります。間違っていたら、長く続かないはずですから、自分の好きな『道』を学んでみては」と、語る許萍さん。
 全くその通りだと思った。真理を含んでいるから、長い歴史の中で、消えることなく、万人に受け入れられ、受け継がれ、今日でも多くの人をひきつけているのだろう。
 「和敬静寂」、私もこの言葉を、頭の片隅に置いておきたいと思った。「道」の意味を再認識させていただいた。

武井 克真

この投稿は 2015年2月5日 木曜日 2:46 PM に Whenever誌面コンテンツ, 巻頭インタビュー カテゴリーに公開されました。

コメントをどうぞ

掲載日: 2015-02-05
更新日: 2015-12-18
クチコミ数: 0
カテゴリ
エリア