旧関東神宮
旧関東神宮
大連市旅順口区白山街
建立 1938(昭和13)年6月1日
鎮座・創建 1944(昭和19)年10月1日
関東神宮は旧関東州、満州国で唯一の神宮として鎮西するも約11ヶ月で廃社となった元官幣大社です。現在の定義も同じようですが、神宮は大きな神社という位置づけで、神社より高い権威があるとされています。ちなみに本来、神宮と略称で呼ばれているのは伊勢神宮のみで、他は区別するために明治神宮、熱田神宮など呼ぶのが正式とされています。
紹介記事を公開して早々ですがほぼ正しい旧跡地が判明しました。隣に一直線に走る白山街が旧表参道のようです。突き当たった左手に旧大正公園があり現在は広大な軍管理地である傾斜地に沿った山側の場所、ここに旧関東神宮の本殿があったようです。Googleの航空写真を見て気づきました・・・・・。再取材して全面更新します。
(2011年7月31日追記)おかげさまで、旧関東神宮の場所がある程度特定することができました。旧関東都督府の背後から一直線に3車線の参道が伸びいています。今では神宮があった跡らしきものは何も見つけることはできません。しかし、一見すると参道だと分かる雰囲気を感じることができます。3車線にしたのは、中央の道を天皇や皇族の参拝に利用してもらうことを想定して作られたそうです。結局、関東神宮への今上天皇(昭和天皇)の参拝は実現することなく廃社されています。
中央に2車線の道。その両側に街路樹を植え、さらに1本の道で挟むように作られています。実質的には、6車線分くらいの幅あります。
本殿があったと思われる山側から旧関東都督府側です。神宮側が緩やかな坂になっていることが分かります。
緩やかな坂道を5分ほど歩くと突き当たる場所にあるのが旧関東神宮の拝殿・幣殿・本殿の敷地と思われる場所です。現在は、軍(警察?)関係の施設ため入ることはできません。
創建を記念する記念切手
出典サイト Free photos at Free-Photos.Biz
関東神宮が鎮座するまでは、大連市内の大連神社が関東州の中心的な神社と位置づけられていました。関東神宮の祭神は天照大神と明治天皇、建物面積2,665㎡を誇る大規模な神宮だったようです。
一番上の写真は下記地図のポイント(A)から北東へ向いて撮影したものです。しかし、地形的にここに神宮があったとは考えづらそうです。
出典&参考サイト 関東神宮(Wikipedia)
建立から鎮座・創建まで時間がかかっているのは、建設資材や労働力が不足していたためといわれます。内地(本土)で学徒動員が始まったときにも旅順では行われていなかったようですが、関東神宮の建立には関東州中から奉仕活動として多くの人が関わったようです。
本殿はどこに?
神宮や神社は一般的に拝殿、・幣殿・本殿の順番で並んでいます。そのため、境内は長方形であることが多いように思われます。大連市内の旧大連神社も長方形です。表参道の突き当たりの敷地に拝殿・幣殿・本殿があるのだろうと考えています。しかし、Googleマップを航空写真で見ると、横切る道を挟んで山側にもう一箇所場所があることが分かります。上記の古写真は拝殿と推定されます。その右背後をみると木が写りこんでいることが分かります。それでは、一番奥の本殿はもっと斜面の上ではないかと推定しています。本殿の裏に別の建物が陣取っているのも不自然な感じがします。
出典はGoogleマップです。多少加工させてもらっています。aが本殿と推定した場所です。斜面手前の青い建物付近に旧本殿があったのではないではないでしょうか。dの場所から一直線でつながっていることが確認できています。現在は軍施設なので撮影などは気をつけてください。bの道へ入る場所にも軍の監視小屋があるので、怪しまれます。撮影は止めたほうが無難だと思います。
上記のbの右奥から右手に山側(旧本殿?)、左手はdの場所です。この道が当時から存在してかは不明です。
cの場所から撮影した写真です。cの場所は民間の住宅なので入ることができます。黒い車の上の白い建物が軍の建物です。この場所がaの場所となります。この付近に関東神宮の本殿があったのではないでしょうか。航空写真でみると、斜面近くのaも広いことが分かります。もしかすると、aに拝殿・幣殿・本殿があり、dの場所には内苑として神宮関連施設などがあったのもかもしれません。引き続き調査します。
関東州一の関東神宮ですが、1年足らずで廃社されたため、多くの人の記憶にはないのかもしれません。敗戦後に本土(最初は旅順から大連へ強制的に移動。その後、大連港から船で日本へ帰国)へ引き上げる人たちが最後に自分たちの無事と祖国の将来を祈るために参拝したのかもしれません。
同心街へ入る付近。このまま下ると軍の施設(ホテル?)があります。この敷地内が旧関東神宮なのでしょうか。日本でも神社、神宮の参道は一直線なので、もしかするとこの道が旧表参道なのかもしれません。
※場所を間違えていました。
下記参考サイトの新聞社サイトによると、旧関東神宮の建物の装飾などの一部が旧旅順監獄に保管されているそうです。また、大連の旅行社のサイトをよると一部遺構が残っていると紹介されていますので引き続き調査してみる予定です。情報をお持ちの方がいたらぜひご教授ください。
参考サイト
あられの日記
海外神社(跡地)に関するデータベース 神奈川大学 21世紀COEプログラム
塚原健次のホームページ
大連世界旅行社‐大連、旅順、丹東、瀋陽、錦州、興城、長春、ハルピン、他
旅顺关东神宫(大连新闻网)
アクセス / 地図
勝利塔、旧関東都督府にも近い旧日本人街のそばにあります。旅順駅から約2キロです。旅順博物館、旅順蛇博物館、旧露清銀行旅順分行、旧関東軍総司令部、旧後楽園などがあるエリアまで徒歩5分くらいです。
タグ: 旅順
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更新日: 2013-02-08
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こんにちは慶次郎さん。
私のブログをご覧いただいたようでありがとうございます。
旧関東神宮についてですが、私のブログのコメントを参照いただけるとうれしいです。
そちらに2010年8月11日の「謎の建物」の記事に今日地図を追加で掲載しました。
白山路の突き当りに神社はあったハズです。
白山路の画像も載せてあります。参道ぽいのが確認出来るかと。
お役に立てるとうれしいです。
あられさん、
コメント有り難うございます。追加地図も確認させていただきました。
調査不足で公開し、みっともない限りですが、再調査して更新させていただきます。どうも有り難うございます。
おはようございます慶次郎さん。
参考のお役にたてたようで嬉しいです。
旅順は長らく中国の軍港として外国人の立入りが制限されていたからか、日本ではまだまだ資料がない。
旅立つ前に知識を詰め込んでから行きたかったんだけど、かなわず。慶次郎さんのWEBはこれから旅順へ行く方の助けになれます。資料がなくて大変でしょうが、地道に挑戦しつづけて下さい。
旅順は清ーロシアー日本ーロシアー中国と所有が変遷してるので、建物の使われ方や呼び名も変遷してて混乱するんですよね。そこが大変さが増えるところ。
旅先で購入した本を確認しましたが、関東神宮の資料は掲載されてませんでした。残念。私のお役立ちはここまでのようです。
あられさん、
おはようございます。コメント有り難うございます。
旅順生まれ、育ちの方も多く、すでに70代以上と高齢で旅順まで来ることが難しいという人たちも少なくない状態です。そんな旅順にゆかりある方々へ見てもらえる情報となれば嬉しいなと思っています。
大連市内であれば情報は比較的に多いのですが、旅順はまだまだ少ないので、今年はもっと力を入れたいなと思っています。今後ともよろしくお願いします。
おはようございます慶次郎さん。
旧関東神宮の追加取材お疲れさまでした。
地図ではわかりにくいんですが、ここは緩やかな斜面で、似た様な建物が多くて実際に歩いてると、すぐに現在地を見失いがち。
上の地図を眺めつつ、実際自分がどこを撮影して歩いたのか思い起こしつつ楽しんでしまいました〜。こんなリアル画像もグーグルにはあるんですねえ。
観光客に解放されたとはいえ、旅順はまだまだ軍の施設が残ってるので、慶次郎さん、撮影には充分過ぎる注意を払って下さい。お気をつけて。
あられさん、
おはようございます。いつも温かいコメント有り難うございます。通常の地図で見ると旧参道にあたる白山街は他の道と道幅が同じくらいに描かれているので、気づきませんでした。しかし、航空写真へ切り替えると道幅の違いが一目瞭然ですね。
有り難うございます。現実的に訪問可能地大幅拡大後(発表されている正式な解釈)も拘束される日本人が出ているようですので、気をつけないといけないですね。
ところで、旧関東神宮の左隣にあったという旧大正公園はどのあたりなのでしょうかか・・・・^^;