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旅順駅

大連市旅順口区井崗街195号
0411-6283-0273
竣工 1900年
設計 不詳（ロシア人設計士）
1898年占領したロシアが要塞と軍港を拡張。鉄道建設に着手。1900年旅順港のすぐ前の前に旅順駅を建築開始。1903年7月に営業開始。
大連でも数少ないロシア風建築です。ロシア時代に建築されたものの多くは設計者がドイツ人であったり、ヨーロッパ式の建築様式を取り入れたためロシア風建築はほとんど見かけることはありません。
中国東北地方の現存最古の駅で、中国国内でも最も古い歴史を有する駅のひとつです。
観光地ですが、軍港が近いため外国人の利用はおろか近寄ることも禁止されていました。2009年6月に訪問可能地大幅拡大にともない利用、観光することができるようなりました。
以前はビクビクしながら写真など撮っていたなんて方も多いかと思います。
駅なので見学料は無料です。大連までの列車代は4.5元（普通列車）。1日往復2本です（普通列車と快速列車）。
最新の時刻表はi票通网をご参照ください。
日露戦争後は大連と旅順を結ぶ鉄道として整備されます。新京（長春）、ハルビンなどの南満州鉄道の始発/終着駅となる（直通列車はなく途中乗換えが必要なため旅順支線とも呼ばれる）。大連まで約52キロを約90分で結びます。

プラットフォームは駅舎の目の前の1箇所しかありません。非常に高さが低い感じです。そのため列車へ乗車するときに階段を数段上がる必要があります。大連←→沙河口間は電化されていません。線路は日本だと新幹線と同じ標準軌です。
鉄道マニアを熱くさせるのは汽車だけはありません。旅順駅を突き抜けて港までつながっている線路へ到着した列車は一度道路（黄河路・友誼路）を横断してスイッチバックして戻ってきます。
これも観光の名物のひとつです。おおよそ出発の20～30分前に見ることができます。鉄ちゃんじゃなくてもワクワクする光景です。

駅舎正面左側に飾られているプレートです。内容は1900年ロシア占領時代に建築された古代ロシア様式。大連市第一級保存建築物へ指定されている。
調べてみると2005年に一度解体修理を実施しているようです。2005年なのでしっかりと文化財を保存するためのきちんとした修理が行われたと信じています･･････。

旅順の歴史の象徴

出典 经典大连老照片!
3点いずれも撮影時期は不明です。この写真は屋根に小旗のようなものが飾られているのが確認できます。開業当時なのか何かのお祝いなのでしょうか。

『旅順歴史紀行』斎藤充功によると、旅順駅を利用した人物としては、1909年伊藤博文（暗殺される約1週間前）。その伊藤を暗殺したとして旅順で最期を迎える安重根。同じ1909年には夏目漱石。1928年には与謝野晶子、与謝野鉄幹夫妻。1931年旅順ヤマトホテル、粛親王邸に滞在してた愛新覚羅溥儀（旅順駅を利用したか証明する資料がないため移動経路は不明）などがそうそうたる顔ぶれです。
駅舎が小さく、また入り口も1箇所しかないため現在と同じ入り口を使ったと思われます（または駅舎正面左手の鉄製の改札口？）。
ちなみにこの当時の移動時間も約90分で現在とほぼ同じです。駅の数は当時6駅から倍近くに増えていますが、あまり高速化は進んでいないようです。そこに情緒と哀愁ある旅順の歴史をたっぷりと感じることができます。

出典 中国记忆论坛
駅舎の中は改修工事されていることが分かります。あまり利用されていなかったことも幸いしたのか保存状態はかなりいいと思います。駅舎を正面に見て右側に駅員室、倉庫（？）のようなものが並んでいます。これらも木造建築です。

1934（昭和9）年はモスクワ・パリまで！？

『鉄道省編纂汽車時間表 昭和9（1934）年12月号』よると大連、旅順間は毎日17本の汽車が運行されていたそうです。上下で本数が1本違っていました。理由は沙河口駅で奉天（瀋陽）への上り列車に乗り換える乗客のための調整だったそうです。
また、当時は東京から朝鮮を経由してソ連の首都モスクワ、フランスのパリまで国際列車で結ばれていました（山口下関～朝鮮釜山までは定期船を利用）。

アクセス/地図

＜バス＞5、6など旅順駅（火车站） 徒歩約3分
大連市内からのバスが到着する旅順バスセンターからは約2キロ。ひとつ手前の中心広場から約1キロ。
駅から旅順博物館、旧関東軍総司令部、旧旅順ヤマトホテル、旅順蛇博物館などの旧市街までは約1キロです。

タグ: 旅順