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水師営会見所

水師営会見所

乃木希典大将とステッセル中将が会見した水師営会見所

大連市旅順口区水師営
竣工 不詳
施工 不詳(1996年に古写真を元に復元)
入場料40元 開門時間 8:00~17:00 駐車場無料

 旅順駅から北へ4キロほどの水師営のある農家で、日露戦争中の1905年(明治38)1月15日、停戦条約が締結されました。第三軍司令官乃木希典大将と旅順要塞司令官 アナトーリイ・ステッセル中将がここで会見したとされる場所です。現在は、住宅地に囲まれており、周囲は新しい5、6階建てのマンションに囲まれていて当時の想像は難しい状況です。非常に小さな小屋であるため一見すると埋もれてしまい、探すことができない場所です。

 なお、現在の建物は1996年に古写真に基づき復元されたものです。
 
 記事中の太字とアンダーラインは『坂の上の雲1~8』 司馬 遼太郎・文藝春秋からの引用です。

日露集合写真

2列目の左から2番目が乃木希典将軍、その隣がステッセル将軍、一番右が伊地知幸介参謀長


写真提供 大連旅順旅遊集団

現在の水師営会見所建物全体

現在の水師営会見所建物全体

 会見の場所は、水師営である。水師営とは村の名であり、その会場として指定されたのは劉という百姓家であった。戦闘中この家は日本軍の野戦病院につかわれていた。(本文)

 戦前は大連市内の生徒たちの修学旅行定番コース、そして、現在も日本人が多く訪れる観光地です。今も昔も日本人が多く訪れる場所です。屋根に草が生い茂る平屋建ての小屋に対峙するように日本語が流暢な店員のいる土産物屋などがあります。会見所を正面から見ると近代的な建物が映り込むのに歴史の流れを感じざるを得ません。

棗(なつめ)の木

ひょろひょろした棗(なつめ)の木

「庭に一本棗の木」
 と、後年の「尋常小学国語読本」巻十の「水師営の会見」の歌の歌詞にあるように、門を入って左側の泥塀に沿って棗の木がある。樹齢百年以上といわれているが、歌詞に「弾丸のあともいちじるしく」とうたわれているように、無数の弾痕が樹皮を裂いて生肌をあらわしている。
 くずれ残れる民屋に、今ぞ相見る二将軍
(本文)

 現在も再現されていますが、当時の木とは異なっている全く樹齢を感じさせないひょろひょろとした棗の木です。しかし、この木の写真を撮る観光客は後を絶ちません。

水師営会見所の内部(日本側控え室)

水師営会見所の内部(日本側控え室)

内部はパネルが展示されている(中国語と英語)

内部はパネルが展示されている(中国語と英語)

通路を挟み対峙するのはロシア側控え室(撮影禁止)

通路を挟み対峙するのはロシア側控え室(撮影禁止)

 ステッセルは、会場に案内された。入口から左へ入った部屋が、会場である。
 部屋は中国風の土間で、そこにアンペラが敷かれている。
 机がある。
 幅は腕の長さほどで、長さは一・八メートルほどの粗末なもので、この民屋が野戦病院であったときの手術台であった。この手術台が手術に使用されていたとき、しばしば弾が窓から飛びこんできた。その弾痕があちこちについていた。それが見ぐるしいというので、白布がかけられた。ステッセルとその幕僚は、この机のまわりの椅子に腰をおろし、乃木を待った。
(本文)

 なぜか現在、上記の会見が行われたロシア側の部屋は撮影禁止です。奥に少し写るのは会談を行ったテーブルが再現されて設置されています。右側の日本側の部屋はパネル展示室となっており、撮影可能です。すきま風が入る平屋建ての土間は、復元時にどこまで再現されたのでしょうか。

会見所の碑

会見所の碑

 小説『坂の上の雲』によると乃木希典は遅れて参上したと描かれています。旅順開城が決定した歴史的な会見所として有名な場所となっています。上記石碑は戦前の写真を見ると建物の正面に設置されていたようです。

注意点

 専門家の中には現在の水師営会見所は場所自体も異なっていると主張する人もいます。そのため歴史的な価値を疑問視する人たちも少なくないようです。旅行社の中には水師営会見所を基本コースから外したりする会社も出てきており、今後の研究が注目されます。余談ですが、旅順の主な観光地では水師営会見所だけが国営企業である大連旅順旅遊集団ではなく別会社の管理となります。また、敷地内にある中華料理店は日本から来たに日本人でも食べることができる味と案内しやすい場所なんだそうです。

参考文献
『坂の上の雲1~8』 司馬 遼太郎・文藝春秋

アクセス / 地図

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この投稿は 2011年12月12日 月曜日 8:09 PM に 観光・遊び・買い物, 観光 カテゴリーに公開されました。

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掲載日: 2011-12-12
更新日: 2012-01-12
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